「現状に不満があるのに変われない」「周りが変わっていくのに自分は行動できない」
その悩みの解消に役立つ本を博士エンジニアの晴樹が紹介します。
周りの状況が変化しつつあったり、自分が変われなかったりして悩んでいるあなたにオススメするのが、スペンサー ジョンソンさんの著書『チーズはどこへ消えた?』です。

『チーズはどこへ消えた?』ってそもそも何が書いてある話なのか?
そもそもタイトルだけでは何の本なのか、全くわかりませんよね。
『チーズはどこへ消えた?』は、1999年度全米ビジネス書ベストセラー第1位の書籍で、日本でも翻訳されて大ヒットしました。
本書は寓話とその寓話について話し合う人々の話で構成されています。
寓話に登場するのは2匹のネズミと2匹の小人。
チーズを探していて、あるときある場所で大量のチーズを見つけ安泰と思いきや、ある日突然チーズがすべて消えた。
その時のネズミと小人の行動から様々なことを学ぶ、という内容です。
話自体はとても単純で、すぐに読み終えるでしょう。
難しい点もありません。
それでいて読んでいて考えさせられることも多く、世界中で流行ったのも頷けます。
基本的には「変化に対応しよう、変化を楽しもう」という話なのですが、その他にもためになる様々な教訓がちりばめられています。
例えば、小人が行動してチーズを見つけた後に、以下のように振り返るセリフがあります。
どんな選択肢があるのか知っていた方が、居心地のいい自分の場所に閉じこもっているより安全だとわかっていたからだ。
『チーズはどこへ消えた?』
これは選択肢の重要性についての教訓を述べているのですが、読んだ後にこのことを強く意識するようなことはあまりないでしょう。
話の中心が「変化に敏感に反応して行動しよう」ということだからです。
でも、これはあるタイミングで読んだときには、とても印象に残るはずです。
例えば、今は順調に仕事ができている、でも本当に現状維持でいいんだろうか、もっとできることは無いんだろうか、と悩んでいるときに本書を読むと、この選択肢の重要性の部分が強く印象に残るでしょう。
自分から選択肢を増やすための挑戦をしよう、という思いが湧いてくるはずです。
読むたびに、「ああ、これは今の自分だ」とか「こう考えられたら変われるのかもしれない」など、様々なことを感じられるでしょう。
物語形式の良いところは、書かれていることだけではなく、物語を自分なりに解釈して、考えるきっかけを与えてくれるところです。
『チーズはどこへ消えた?』はこんな時に読みたい
周りの状況が変化しつつあったり、自分が変われなかったりして悩んでいる、あなたが今そんな状況ならば、本書を読んでどうするべきかを考えるきっかけにしてみてください。
人は誰しも今いる状況を変えたくないという心理があります、たとえ現状が幸せでなかったとしてもです。
例えば勤めている会社に不満があるのに、自分がダメになっていく感覚があるのに、行動することができない。
なぜかそのうち何かが変わるのではないかという期待を持っていて、自分が何をするわけでもない。
不満があるならば自らが行動するか環境を変えるしかないはずなのに行動できないのは、変わることへの恐怖に支配されているからです。
でも動かないと何も解決しないのです。
本書を読むことで、少しでも行動を妨げている心の壁を打ち破って下さい。
また、現状に不満が無く問題なく過ごせている人にも読むことで得られることがあります。
私自身、この本を読んだときには、何か問題に直面していたわけではないものの、長いこと現状に満足して変化をしていませんでした。
でも状況はいつ変わるのか分かりません。
問題が無い時こそ、いつ変化してもすぐに対応できるよう日頃から自己研鑽し、また自らが変化に飛び込んで挑戦していくことが重要なのだと気づかされました。
本書は、読むときの状況や悩みによって、得るもの、考えさせられるものが異なり、長く参考にできる本です。
手元に置いて、定期的に読み直し、自分が変化に対応できているのか、行動できているのか、挑戦できているのか、様々なことを感じて人生をより豊かなものにしていきましょう。
